「すべての実数に対して、それより大きい実数が存在する」と「すべての実数より大きい実数が存在する」では、同じ条件を述べていても真偽が異なります。この違いを読むには、量化子の順序だけでなく、それぞれが式のどこまで及ぶかも確かめる必要があります。量化されていない変数が残る式は、その変数の値を指定して読む条件として扱います。
本記事では、量化子の順序による意味の違いと基本的な含意を、具体例とともに解説します。
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「すべての実数に対して、それより大きい実数が存在する」と「すべての実数より大きい実数が存在する」では、同じ条件を述べていても真偽が異なります。この違いを読むには、量化子の順序だけでなく、それぞれが式のどこまで及ぶかも確かめる必要があります。量化されていない変数が残る式は、その変数の値を指定して読む条件として扱います。
本記事では、量化子の順序による意味の違いと基本的な含意を、具体例とともに解説します。
やは、その後ろに続く部分に対して働きます。この働く範囲を、その量化子のスコープと呼びます。スコープは括弧で示します。
の二つは、量化子の及ぶ範囲が異なる式です。前者ではが条件文全体に及んでいます。後者ではがにしか及ばず、のは量化されていません。後者は一般にの値によって真偽が変わる条件であり、の値を定めるか、さらに量化するまでは閉じた命題になりません。括弧を省いて二通りに読むことができる式を書かず、どこまでが量化子の範囲であるかを明示します。
量化子が二つ以上並ぶときは、左から順に読みます。は、「まず任意のが与えられ、それを見てからを選ぶ」という順序を表します。
例 2.1. 次の二つを見比べる。、は実数の範囲を動く。
内側の条件はどちらもで同じですが、量化子の順序だけで真偽が逆転しました。違いは、をに応じて選ぶことができるのか、それともより先にを一つ固定するのかという点にあります。では、はに依存してよく、ごとに別のを取ることができます。では、を先に一つ決めた後ですべてのを見るので、はに依存することができません。
順序を自由に交換することはできませんが、一方向の含意は常に成り立ちます。
定理 3.1. 任意の述語に対しが成り立つ。逆向きの含意は一般には成り立たない。
証明. 前提より、すべてのについてを満たすが一つ存在する。各に対してがを満たすので、が成り立つ。逆向きの含意が成り立たないことは、例 2.1により示されている。そこではが真であるのには偽である。▨
なお、どうし、どうしの入れ替えは意味を変えません。とは同じ命題であり、についても同様です。注意が必要なのは、とが隣り合っている場合だけです。
条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。
次の2つの命題は、量化子の順序だけが違う。それぞれの真偽を判定せよ。
量化子の順序だけが違う次の2つの命題について、それぞれの真偽を判定せよ。
解法の型左から順に決めていく。 は y を x ごとに選べる、 は y が全 x 共通の1つ。 と が隣り合う入れ替えは意味を変える
例題 1
例題 2
例題 3
例題 4
例題 5
例題 6
問題を解いてから「解答・解説」を開けます。
次の2つの命題は、量化子の順序だけが違う。それぞれの真偽を判定せよ。
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