§A1.62次関数

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x2−4x+1x^2-4x+1に実数を代入すると、代入する数によって式の値が変わります。方程式x2−4x+1=0x^2-4x+1=0の解を求めれば、式の値が零になる場合は分かります。しかし、式の値がどこまで小さくなるかを知るには、零になる場合だけでなく、実数xx全体にわたる値の変化を調べる必要があります。

このように二次式の値をxxに対応させて調べる対象が二次関数です。対応する値をグラフに表すと、式の値の変化と、二次方程式の解の位置を同じ図で捉えることができます。

本記事では、二次関数の式とグラフの関係を通して、値の変化と二次方程式の実数解の配置を調べます。

1 平方完成と頂点・軸

実数xxの値を定めると、それに対応する値yyが一つ定まるとき、yyはxxの関数であるといいます。横軸にxx、縦軸にyyをとり、対応する点(x,y)(x,y)を集めたものが関数のグラフです。入力xxが動く範囲を定義域といいます。

a,b,ca,b,cを実数、a≠0a\ne0としたy=ax2+bx+cy=ax^2+bx+cを二次関数といいます。まず定義域を実数全体とします。そのグラフを放物線といいます。平方完成によって、放物線の位置と向きを調べます。

公式 1.1.a,b,ca,b,cを実数、a≠0a\ne0とし、p=−b/(2a)p=-b/(2a)、q=c−b2/(4a)q=c-b^2/(4a)と置く。二次関数は

y=ax2+bx+c=a(x−p)2+qy=ax^2+bx+c=a(x-p)^2+q

と表される。グラフは直線x=px=pに関して対称であり、この直線を軸と呼ぶ。軸上の点(p,q)(p,q)を頂点と呼ぶ。a>0a>0のときグラフは下に凸、a<0a<0のとき上に凸である。

証明. 平方完成の等式は§A1.5 公式 4.2による。任意の実数ttに対して、x=p+tx=p+tとx=p−tx=p-tで関数値はともにat2+qat^2+qとなるので、グラフはx=px=pに関して対称である。x=px=pでy=qy=qとなり、a>0a>0ならそこから左右へ離れるほど関数値は大きくなる。a<0a<0なら関数値は小さくなる。▨

例 1.2.y=x2−4x+1=(x−2)2−3y=x^2-4x+1=(x-2)^2-3の頂点は(2,−3)(2,-3)、軸はx=2x=2である。係数が11でない場合も

y=2x2−8x+5=2(x−2)2−3y=2x^2-8x+5=2(x-2)^2-3

と平方完成すると、頂点は(2,−3)(2,-3)、軸はx=2x=2となる。x=1,3x=1,3ではともにy=−1y=-1となり、軸に関して対称な二点を得る。

下の図はa=1a=1の場合です。p,qp,qを動かすと頂点の位置が変わります。係数aaが負の場合の向きは、上の平方の係数から判断します。

2 最大値と最小値

定義域に属するすべてのxxで関数値がある値以下であり、その値を実際にとるとき、その値を最大値といいます。最小値は、すべての関数値以下であって実際にとる値です。

公式 2.1.a,p,qa,p,qを実数、a≠0a\ne0とし、y=a(x−p)2+qy=a(x-p)^2+qの定義域を実数全体とする。a>0a>0のとき、x=px=pで最小値qqをとり、最大値はない。a<0a<0のとき、x=px=pで最大値qqをとり、最小値はない。

証明.(x−p)2≥0(x-p)^2\ge0であり、等号はx=px=pのときだけ成り立つ。a>0a>0ならy≥qy\ge q、a<0a<0ならy≤qy\le qとなる。∣x−p∣|x-p|を大きくすると、a>0a>0では関数値はいくらでも大きくなり、a<0a<0ではいくらでも小さくなるので、もう一方の極値は存在しない。▨

定義域を有界閉区間l≤x≤rl\le x\le r(l<rl<r)に制限すると、両端の値と、区間に属する場合の頂点の値を比較して最大値・最小値を求めます。(x−p)2(x-p)^2はppからの距離の二乗なので、その距離が最も小さい点と最も大きい点を調べればよいからです。

例 2.2.y=2(x−2)2−3y=2(x-2)^2-3を0≤x≤30\le x\le3で考える。頂点のxx座標22は定義域に属し、端点と頂点で

y(0)=5,y(2)=−3,y(3)=−1y(0)=5,\qquad y(2)=-3,\qquad y(3)=-1

となる。したがって最小値は−3-3(x=2x=2)、最大値は55(x=0x=0)である。

同じ関数を3≤x≤43\le x\le4で考えると、頂点は定義域の外にある。xxが33から44へ増えるとx−2x-2は正で大きくなるので、関数値も増える。よって最小値は−1-1(x=3x=3)、最大値は55(x=4x=4)である。

問題 2.3.mmを実数とする。0≤x≤20\le x\le2における二次関数

y=x2−2mxy=x^2-2mx

の最大値と最小値、および各値をとるxxを、mmの値によって場合分けして求めよ。

解答.

平方完成すると

y=(x−m)2−m2y=(x-m)^2-m^2

であり、軸はx=mx=mである。最小値は、区間0≤x≤20\le x\le2のうちmmに最も近い点でとる。

m<0m<0ではx=0x=0が最も近いので、最小値は00である。0≤m≤20\le m\le2ではx=mx=mが区間に属するので、最小値は−m2-m^2である。m>2m>2ではx=2x=2が最も近いので、最小値は4−4m4-4mである。したがって

min⁡y={0(m<0),−m2(0≤m≤2),4−4m(m>2).\min y= \begin{cases} 0 & (m<0),\\ -m^2 & (0\le m\le2),\\ 4-4m & (m>2). \end{cases}

各場合で最小値をとるxxは、それぞれ0,m,20,m,2である。

最大値は、mmから最も遠い端点でとる。両端の値は

y(0)=0,y(2)=4−4my(0)=0,\qquad y(2)=4-4m

なので、m<1m<1では最大値が4−4m4-4m、その値をとる点がx=2x=2となる。m>1m>1では最大値が00、その値をとる点がx=0x=0となる。m=1m=1では

y=(x−1)2−1y=(x-1)^2-1

であり、両端x=0,2x=0,2で最大値00をとる。0<x<20<x<2では(x−1)2<1(x-1)^2<1なので、ほかに最大値をとる点はない。▨

注意 2.4. 定義域が端点を含まない場合には、最大値・最小値が存在するとは限らない。たとえばy=x2y=x^2を1<x<21<x<2で考えると1<y<41<y<4であるが、11も44も関数値としてとらない。任意のxxに対して、11に近い点ではより小さい値を、22に近い点ではより大きい値をとるので、最小値も最大値もない。

3 判別式と実数解の配置

公式 3.1.a,b,ca,b,cを実数、a≠0a\ne0とし、二次関数y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+cの定義域を実数全体とする。D=b2−4acD=b^2-4acと置くと、頂点は

(−b2a,−D4a)\left(-\frac b{2a},-\frac D{4a}\right)

である。したがって、頂点がxx軸上にあるための必要十分条件はD=0D=0である。グラフとxx軸の共有点の個数は、D>0D>0のとき二個、D=0D=0のとき一個、D<0D<0のとき零個である。

証明.公式 1.1により、頂点の座標は(−b/(2a),c−b2/(4a))(-b/(2a),c-b^2/(4a))である。

c−b24a=−b2−4ac4a=−D4ac-\frac{b^2}{4a}=-\frac{b^2-4ac}{4a}=-\frac D{4a}

なので、頂点の高さは−D/(4a)-D/(4a)であり、a≠0a\ne0より、この高さが零となることとD=0D=0は同値である。グラフとxx軸の共有点ではy=0y=0なので、共有点のxx座標はax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0の実数解と一致する。共有点の個数は§A1.5 公式 5.1による。▨

解の個数だけでは、解がある区間に属するかどうかは定まりません。軸の位置、区間の端点での関数値の符号、放物線の向きをあわせて調べます。

例 3.2.y=2(x−2)2−3y=2(x-2)^2-3ではD=24>0D=24>0なので実数解は二つである。解は2±3/22\pm\sqrt{3/2}であり、0<3/2<20<\sqrt{3/2}<2なので二つとも正である。また1<3/2<21<\sqrt{3/2}<2なので、一方の解は00と11の間、他方は33と44の間にある。関数値もy(0)=y(4)=5>0y(0)=y(4)=5>0、y(1)=y(3)=−1<0y(1)=y(3)=-1<0となり、この配置と一致する。

閑話休題:放物線の相似y=x2y=x^2とy=100x2y=100x^2は、同じ座標尺度で描くと開き方が異なる。しかし、後者のグラフを縦横ともに100100倍に拡大すると、前者に重なる。実際にx=X/100x=X/100、y=Y/100y=Y/100を代入すると

Y100=100(X100)2  ⟺  Y=X2\frac Y{100}=100\left(\frac X{100}\right)^2\iff Y=X^2

となる。

一般にy=a(x−p)2+qy=a(x-p)^2+q(a,p,qa,p,qは実数、a≠0a\ne0)の頂点を原点へ平行移動するとv=au2v=au^2となる。a<0a<0の場合は横軸に関して反射してv=∣a∣u2v=|a|u^2とする。その後、縦横ともに∣a∣|a|倍し、U=∣a∣uU=|a|u、V=∣a∣vV=|a|vと置くとV=U2V=U^2となる。よってすべての放物線は互いに相似である。

楕円や双曲線では、一般に軸の長さの比が異なる図形は相似ではない。楕円の長半径をrr、短半径をss(r≥s>0r\ge s>0)とすると、軸の比はs/rs/r、離心率は1−(s/r)2\sqrt{1-(s/r)^2}である。相似によって軸の比が保たれるので、離心率も保たれる。

放物線を用いる衛星アンテナやヘッドライトの反射鏡では、相似な放物線の尺度を変えると寸法も変わる。ただし、放物線全体を一つ定めても、どの範囲の部分を用いるかはまだ定まらない。相似な曲線であることと、利用する部分の寸法を選ぶことは区別する必要がある。平方完成は、二次関数のグラフを平行移動・必要な反射・拡大縮小によってy=x2y=x^2へ移すことを示している。

4 平方完成の検算

(x−2)2=x2−4x+4(x-2)^2=x^2-4x+4なので、x2−4x+1x^2-4x+1と等しくするには定数項から33を引きます。平方完成の結果を展開し直すと、元の各係数と一致するかを確かめることができます。最大値・最小値を求める場合には、その値をとる点が定義域に属することも確かめます。

例題

条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。

次の2次関数を平方完成し、頂点を求めよ。

解法の型平方完成 → 頂点 (p,q)(p,q) を読む

  1. (1)y=x2−2x+7y = x^{2}-2x+7
  2. (2)y=x2−6x+11y = x^{2}-6x+11
  3. (3)y=−x2−2x−2y = -x^{2}-2x-2
  4. (4)y=x2+6x+3y = x^{2}+6x+3
  5. (5)y=−x2−4x−2y = -x^{2}-4x-2

次の2次関数の最大値・最小値があれば求めよ(定義域は実数全体とする)。

解法の型平方完成 → aa の符号で最大か最小かを判断

  1. 例題 1

    y=x2+4x+7y = x^{2}+4x+7
  2. 例題 2

    y=2x2−12x+17y = 2x^{2}-12x+17
  3. 例題 3

    y=x2−2x+5y = x^{2}-2x+5
  4. 例題 4

    y=−2x2−4xy = -2x^{2}-4x
  5. 例題 5

    y=x2−8x+20y = x^{2}-8x+20

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