に実数を代入すると、代入する数によって式の値が変わります。方程式の解を求めれば、式の値が零になる場合は分かります。しかし、式の値がどこまで小さくなるかを知るには、零になる場合だけでなく、実数全体にわたる値の変化を調べる必要があります。
このように二次式の値をに対応させて調べる対象が二次関数です。対応する値をグラフに表すと、式の値の変化と、二次方程式の解の位置を同じ図で捉えることができます。
本記事では、二次関数の式とグラフの関係を通して、値の変化と二次方程式の実数解の配置を調べます。
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に実数を代入すると、代入する数によって式の値が変わります。方程式の解を求めれば、式の値が零になる場合は分かります。しかし、式の値がどこまで小さくなるかを知るには、零になる場合だけでなく、実数全体にわたる値の変化を調べる必要があります。
このように二次式の値をに対応させて調べる対象が二次関数です。対応する値をグラフに表すと、式の値の変化と、二次方程式の解の位置を同じ図で捉えることができます。
本記事では、二次関数の式とグラフの関係を通して、値の変化と二次方程式の実数解の配置を調べます。
実数の値を定めると、それに対応する値が一つ定まるとき、はの関数であるといいます。横軸に、縦軸にをとり、対応する点を集めたものが関数のグラフです。入力が動く範囲を定義域といいます。
を実数、としたを二次関数といいます。まず定義域を実数全体とします。そのグラフを放物線といいます。平方完成によって、放物線の位置と向きを調べます。
公式 1.1.を実数、とし、、と置く。二次関数は
と表される。グラフは直線に関して対称であり、この直線を軸と呼ぶ。軸上の点を頂点と呼ぶ。のときグラフは下に凸、のとき上に凸である。
証明. 平方完成の等式は§A1.5 公式 4.2による。任意の実数に対して、とで関数値はともにとなるので、グラフはに関して対称である。でとなり、ならそこから左右へ離れるほど関数値は大きくなる。なら関数値は小さくなる。▨
例 1.2.の頂点は、軸はである。係数がでない場合も
と平方完成すると、頂点は、軸はとなる。ではともにとなり、軸に関して対称な二点を得る。
下の図はの場合です。を動かすと頂点の位置が変わります。係数が負の場合の向きは、上の平方の係数から判断します。
定義域に属するすべてので関数値がある値以下であり、その値を実際にとるとき、その値を最大値といいます。最小値は、すべての関数値以下であって実際にとる値です。
公式 2.1.を実数、とし、の定義域を実数全体とする。のとき、で最小値をとり、最大値はない。のとき、で最大値をとり、最小値はない。
証明.であり、等号はのときだけ成り立つ。なら、ならとなる。を大きくすると、では関数値はいくらでも大きくなり、ではいくらでも小さくなるので、もう一方の極値は存在しない。▨
定義域を有界閉区間()に制限すると、両端の値と、区間に属する場合の頂点の値を比較して最大値・最小値を求めます。はからの距離の二乗なので、その距離が最も小さい点と最も大きい点を調べればよいからです。
例 2.2.をで考える。頂点の座標は定義域に属し、端点と頂点で
となる。したがって最小値は()、最大値は()である。
同じ関数をで考えると、頂点は定義域の外にある。がからへ増えるとは正で大きくなるので、関数値も増える。よって最小値は()、最大値は()である。
問題 2.3.を実数とする。における二次関数
の最大値と最小値、および各値をとるを、の値によって場合分けして求めよ。
平方完成すると
であり、軸はである。最小値は、区間のうちに最も近い点でとる。
ではが最も近いので、最小値はである。ではが区間に属するので、最小値はである。ではが最も近いので、最小値はである。したがって
各場合で最小値をとるは、それぞれである。
最大値は、から最も遠い端点でとる。両端の値は
なので、では最大値が、その値をとる点がとなる。では最大値が、その値をとる点がとなる。では
であり、両端で最大値をとる。ではなので、ほかに最大値をとる点はない。▨
注意 2.4. 定義域が端点を含まない場合には、最大値・最小値が存在するとは限らない。たとえばをで考えるとであるが、もも関数値としてとらない。任意のに対して、に近い点ではより小さい値を、に近い点ではより大きい値をとるので、最小値も最大値もない。
公式 3.1.を実数、とし、二次関数の定義域を実数全体とする。と置くと、頂点は
である。したがって、頂点が軸上にあるための必要十分条件はである。グラフと軸の共有点の個数は、のとき二個、のとき一個、のとき零個である。
証明.公式 1.1により、頂点の座標はである。
なので、頂点の高さはであり、より、この高さが零となることとは同値である。グラフと軸の共有点ではなので、共有点の座標はの実数解と一致する。共有点の個数は§A1.5 公式 5.1による。▨
解の個数だけでは、解がある区間に属するかどうかは定まりません。軸の位置、区間の端点での関数値の符号、放物線の向きをあわせて調べます。
例 3.2.ではなので実数解は二つである。解はであり、なので二つとも正である。またなので、一方の解はとの間、他方はとの間にある。関数値も、となり、この配置と一致する。
閑話休題:放物線の相似とは、同じ座標尺度で描くと開き方が異なる。しかし、後者のグラフを縦横ともに倍に拡大すると、前者に重なる。実際に、を代入すると
となる。
一般に(は実数、)の頂点を原点へ平行移動するととなる。の場合は横軸に関して反射してとする。その後、縦横ともに倍し、、と置くととなる。よってすべての放物線は互いに相似である。
楕円や双曲線では、一般に軸の長さの比が異なる図形は相似ではない。楕円の長半径を、短半径を()とすると、軸の比は、離心率はである。相似によって軸の比が保たれるので、離心率も保たれる。
放物線を用いる衛星アンテナやヘッドライトの反射鏡では、相似な放物線の尺度を変えると寸法も変わる。ただし、放物線全体を一つ定めても、どの範囲の部分を用いるかはまだ定まらない。相似な曲線であることと、利用する部分の寸法を選ぶことは区別する必要がある。平方完成は、二次関数のグラフを平行移動・必要な反射・拡大縮小によってへ移すことを示している。
なので、と等しくするには定数項からを引きます。平方完成の結果を展開し直すと、元の各係数と一致するかを確かめることができます。最大値・最小値を求める場合には、その値をとる点が定義域に属することも確かめます。
条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。
次の2次関数を平方完成し、頂点を求めよ。
解法の型平方完成 → 頂点 を読む
次の2次関数の最大値・最小値があれば求めよ(定義域は実数全体とする)。
解法の型平方完成 → の符号で最大か最小かを判断
例題 1
例題 2
例題 3
例題 4
例題 5
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