1 二点間の距離と分点
座標平面では、互いに垂直な二つの軸に同じ単位長さをとります。
証明. 横と縦の移動の長さは∣x2−x1∣、∣y2−y1∣である。両方が正なら、この二辺を直角をはさむ辺とする直角三角形に三平方の定理を適用する。一方が0なら距離は他方の長さであり、両方が0なら距離は0なので、同じ式が成り立つ。▨
証明. 直線AB上の点を
P=(x1+t(x2−x1), y1+t(y2−y1))と表すと、AP=∣t∣AB、PB=∣1−t∣ABである。内分では0<t<1なのでt/(1−t)=m/nからt=m/(m+n)を得る。外分ではt<0またはt>1なので、∣t∣/∣1−t∣=m/nからt=m/(m−n)を得る。m>nならt>1、m<nならt<0であり、いずれも線分の外側にある。m=nでは有限の外分点は存在しない。▨
例 1.3.A=(1,2)、B=(7,5)の距離は62+32=35である。2:1に内分する点は(5,4)、外分する点は(13,8)となる。中点はm=n=1の内分点であり、座標は(4,7/2)である。
2 直線の方程式
定義 2.1 (直線の方程式).a,b,c∈R、a2+b2>0に対して
ax+by+c=0を満たす点全体が直線であり、この式を 直線の方程式 (equation of a line) という。b=0ならy=−(a/b)x−c/bと書くことができ、係数−a/bを傾きという。b=0ならa=0で、直線はx=−c/aとなり、傾きは定義されない。
証明.x1=x2のとき、直線の式y=mx+dに二点を代入して引くとm=(y2−y1)/(x2−x1)、さらにd=y1−mx1と一意に定まる。x1=x2ならy1=y2なので、二点を通る非鉛直な直線は存在せず、鉛直線x=x1が唯一の直線である。▨
3 平行と垂直
証明.b1b2=0の場合、方向が同じ条件は傾き−a1/b1と−a2/b2が等しいことであり、第1式に等しい。方向の角をθ1,θ2とすると、垂直である条件はcos(θ1−θ2)=0である。余弦の差の公式をcosθ1cosθ2=0で割ると1+tanθ1tanθ2=0、すなわち1+m1m2=0を得る。係数で書くと第2式となる。一方、b1=0の場合には第1直線は鉛直であり、方向が同じ条件はb2=0、垂直である条件はa2=0である。二つの係数条件はそれぞれこの条件と一致する。b2=0の場合も二直線を取り替えれば同じである。▨
4 点と直線の距離
証明.t=(ax0+by0+c)/(a2+b2)とし、H=(x0−ta,y0−tb)をとる。
a(x0−ta)+b(y0−tb)+c=0なのでHはl上にある。t=0ならP=Hは直線上にあり、距離は0である。t=0の場合、PとHを通る直線の方程式は
b(x−x0)−a(y−y0)=0であり、その係数(b,−a)とlの係数(a,b)はba−ab=0を満たす。したがって二直線は垂直である。直線上の任意の点Q=Hに対し、三平方の定理から
PQ2=PH2+HQ2>PH2である。よってHが最短距離を与え、
d=PH=∣t∣a2+b2=a2+b2∣ax0+by0+c∣を得る。▨
例 4.2.P=(1,2)とl:3x+4y−1=0の距離は
d=9+16∣3+8−1∣=2.t=10/25=2/5なので、垂線の足は
H=(−51,52).3(−1/5)+4(2/5)−1=0によりHは直線上にあり、PH=2であることも座標の差から確認することができる。
閑話休題:マンハッタン距離と単位円 横方向と縦方向にだけ移動するモデルでは、二点間の距離を
d=∣x2−x1∣+∣y2−y1∣で表します。この距離をマンハッタン距離、またはタクシー距離と呼びます。原点からの距離が1の点全体は
∣x∣+∣y∣=1となります。各象限で絶対値を外すと線分の方程式が得られ、その集合は(1,0),(0,1),(−1,0),(0,−1)を頂点とする正方形です。
マンハッタン距離は非負で、二点が一致するときに限り0となり、二点の順序によらず、三角不等式を満たします。最後の性質は、各座標で∣u+v∣≤∣u∣+∣v∣を用いて足すことで確かめることができます。したがって、通常のユークリッド距離と異なる形の単位円をもちながら、距離の公理を満たします。このような距離を一般に扱う理論が距離空間論です。