§E7.37非可換一次コホモロジー

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群準同型を係数群の内部での共役によって分類する問題は、第一次の群コホモロジーと関係する。例えば、位数二の巡回群から三次対称群への準同型には、生成元を単位元へ送るものと互換へ送るものがあり、共役による類は二つとなる。係数群に群が非自明に作用する場合には、準同型の条件と通常の共役を、その作用に応じて変える必要がある。

非可換一次コホモロジーは、この分類を任意の係数群への自己同型による作用に拡張する基本的な概念である。一次コサイクルを捻り共役によって分類し、自明なコサイクルの類を基点とする集合を得る。この集合は、作用を備えた主等質空間の同型類も記述する。本記事では、非可換一次コホモロジーの基本的な性質と分類上の意味を解説する。

1 一次コサイクルと捻り共役

定義 1.1.GGを群とする。群自己同型によるGGの左作用を備えた群AAをGG-群という。g∈Gg\in Gのa∈Aa\in Aへの作用をg(a)g(a)と書く。GG-群A,BA,Bの間の群準同型f ⁣:A→Bf\colon A\to Bが、すべてのg∈Gg\in Gとa∈Aa\in Aに対してf(g(a))=g(f(a))f(g(a))=g(f(a))を満たすとき、ffをGG-同変という。

AAをGG-群とする。写像z ⁣:G→Az\colon G\to Aが、すべてのg,h∈Gg,h\in Gに対して

z(gh)=z(g)g(z(h))z(gh)=z(g)g(z(h))

を満たすとき、zzを一次コサイクル (one-cocycle) といい、その全体をZ1(G,A)Z^1(G,A)と書く。定数写像g↦1g\mapsto1は一次コサイクルであり、11と書く。

補題 1.2.GGを群、AAをGG-群とする。任意のz∈Z1(G,A)z\in Z^1(G,A)に対してz(1)=1z(1)=1である。a∈Aa\in Aに対して

za(g)=a−1z(g)g(a)(g∈G)z^a(g)=a^{-1}z(g)g(a)\qquad(g\in G)

と置くと、za∈Z1(G,A)z^a\in Z^1(G,A)である。この対応はZ1(G,A)Z^1(G,A)への右AA作用を定める。

証明. コサイクル条件にg=h=1g=h=1を代入するとz(1)=z(1)2z(1)=z(1)^2となるので、z(1)=1z(1)=1である。任意のg,h∈Gg,h\in Gに対して

za(g)g(za(h))=a−1z(g)g(a)g(a−1z(h)h(a))=a−1z(g)g(z(h))(gh)(a)=a−1z(gh)(gh)(a)=za(gh)\begin{aligned} z^a(g)g(z^a(h)) &=a^{-1}z(g)g(a)g(a^{-1}z(h)h(a))\\ &=a^{-1}z(g)g(z(h))(gh)(a)\\ &=a^{-1}z(gh)(gh)(a)=z^a(gh) \end{aligned}

である。またz1=zz^1=zであり、任意のa,b∈Aa,b\in Aに対して

(za)b(g)=b−1a−1z(g)g(a)g(b)=zab(g)(z^a)^b(g)=b^{-1}a^{-1}z(g)g(a)g(b)=z^{ab}(g)

であるから、右作用の二公理が成り立つ。▨

定義 1.3.GGを群、AAをGG-群とする。二つの一次コサイクルz,z′z,z'が、あるa∈Aa\in Aに対してz′=zaz'=z^aを満たすとき、zzとz′z'は捻り共役であるという。捻り共役による軌道集合

H1(G,A)=Z1(G,A)/AH^1(G,A)=Z^1(G,A)/A

を、AAを係数とするGGの第一次非可換コホモロジー (first nonabelian cohomology) と呼ぶ。zzの類を[z][z]と書く。

集合とその指定された一元との組を基点付き集合といい、指定された元を基点という。H1(G,A)H^1(G,A)は[1][1]を基点とする基点付き集合である。基点付き集合の間で基点を基点へ送る写像を基点付き写像という。

命題 1.4.GGを群、A,BA,BをGG-群、f ⁣:A→Bf\colon A\to BをGG-同変な群準同型とする。このとき

f∗ ⁣:H1(G,A)⟶H1(G,B),[z]⟼[f∘z]f_*\colon H^1(G,A)\longrightarrow H^1(G,B),\qquad [z]\longmapsto[f\circ z]

は基点付き写像である。恒等準同型は恒等写像を誘導する。また、任意のGG-群CCとGG-同変な群準同型k ⁣:B→Ck\colon B\to Cに対して(k∘f)∗=k∗∘f∗(k\circ f)_*=k_*\circ f_*が成り立つ。

証明.z∈Z1(G,A)z\in Z^1(G,A)に対して、ffの準同型性と同変性から

f(z(gh))=f(z(g))g(f(z(h)))f(z(gh))=f(z(g))g(f(z(h)))

を得るので、f∘zf\circ zは一次コサイクルである。また

f(za(g))=f(a)−1f(z(g))g(f(a))f(z^a(g))=f(a)^{-1}f(z(g))g(f(a))

であるから、[f∘z][f\circ z]は代表元によらず定まる。f(1)=1f(1)=1により基点が保たれ、恒等写像と合成に関する等式は写像の合成から従う。▨

例 1.5.GGを群、AAをGGが自明に作用する群とする。このときコサイクル条件はz(gh)=z(g)z(h)z(gh)=z(g)z(h)であるから、Z1(G,A)Z^1(G,A)は群準同型G→AG\to Aの全体である。捻り共役はza(g)=a−1z(g)az^a(g)=a^{-1}z(g)aとなり、H1(G,A)H^1(G,A)は準同型の共役類の集合である。

特にG=C2={1,s}G=C_2=\{1,s\}、A=S3A=S_3とする。準同型はssの像ttによって一意に定まり、条件はt2=1t^2=1である。S3S_3のこのような元は単位元と三つの互換であり、互換どうしは共役である。したがってH1(C2,S3)H^1(C_2,S_3)は、単位元を像とする基点と、互換を像とする類との二元からなる。

ssをそれぞれ(12)(12)、(23)(23)へ送る二つのコサイクルの点ごとの積は、ssを(12)(23)=(123)(12)(23)=(123)へ送る。(123)2≠1(123)^2\ne1なので、この積はコサイクルではない。したがって、非可換な係数群ではコサイクルの点ごとの積によってH1(G,A)H^1(G,A)の群演算を定める方法は一般には成立しない。

命題 1.6.GGを群、AAをGG-群、z∈Z1(G,A)z\in Z^1(G,A)とする。式

g⋆a=z(g)g(a)z(g)−1(g∈G, a∈A)g\star a=z(g)g(a)z(g)^{-1} \qquad(g\in G,\ a\in A)

は、群自己同型によるGGのAAへの左作用を定める。

証明. 各g∈Gg\in Gに対する写像a↦g⋆aa\mapsto g\star aは、与えられた自己同型とz(g)z(g)による内部自己同型との合成である。任意のg,h∈Gg,h\in Gとa∈Aa\in Aに対して

g⋆(h⋆a)=z(g)g(z(h))(gh)(a)g(z(h))−1z(g)−1=z(gh)(gh)(a)z(gh)−1=(gh)⋆ag\star(h\star a) =z(g)g(z(h))(gh)(a)g(z(h))^{-1}z(g)^{-1} =z(gh)(gh)(a)z(gh)^{-1} =(gh)\star a

であり、z(1)=1z(1)=1から1⋆a=a1\star a=aである。▨

2 主等質空間による分類

定義 2.1.GGを群、AAをGG-群とする。GGの作用を備えた右AA主等質空間 (rightAA-torsor) とは、空でない集合PPに右AA作用(p,a)↦pa(p,a)\mapsto paと左GG作用(g,p)↦gp(g,p)\mapsto gpを与え、次の条件を満たすものである。右作用はp1=pp1=p、(pa)b=p(ab)(pa)b=p(ab)を満たし、任意のp,q∈Pp,q\in Pに対してpa=qpa=qとなるa∈Aa\in Aがただ一つ存在する。また、すべてのg∈Gg\in G、p∈Pp\in P、a∈Aa\in Aに対して

g(pa)=(gp)g(a)g(pa)=(gp)g(a)

が成り立つ。

二つのこのような主等質空間の同型とは、左GG作用と右AA作用の両方を保つ全単射である。集合AAに右乗法と与えられたGG作用を入れた主等質空間を自明な主等質空間と呼ぶ。

定理 2.2.GGを群、AAをGG-群とする。GGの作用を備えた右AA主等質空間PPと点p∈Pp\in Pに対して、等式

gp=pzp(g)(g∈G)gp=pz_p(g)\qquad(g\in G)

は一次コサイクルzp∈Z1(G,A)z_p\in Z^1(G,A)を一意に定める。点をpapaに替えるとzpa=zpaz_{pa}=z_p^aとなる。対応P↦[zp]P\mapsto[z_p]は、主等質空間の同型類全体からH1(G,A)H^1(G,A)への全単射を与える。

この対応において、自明な主等質空間の同型類は基点に対応する。また、PPの類が基点に対応することと、ある点p∈Pp\in Pがすべてのg∈Gg\in Gに対してgp=pgp=pを満たすこととは同値である。

証明.PPの点ppを取り、各g∈Gg\in Gに対してgp=pzp(g)gp=pz_p(g)となる唯一の元をzp(g)z_p(g)と置く。任意のg,h∈Gg,h\in Gに対して

pzp(gh)=(gh)p=g(pzp(h))=pzp(g)g(zp(h))pz_p(gh)=(gh)p=g(pz_p(h))=pz_p(g)g(z_p(h))

であるから、移動元の一意性によりzpz_pはコサイクルである。

a∈Aa\in Aに対して

g(pa)=pzp(g)g(a)=(pa)(a−1zp(g)g(a))g(pa)=pz_p(g)g(a)=(pa)\bigl(a^{-1}z_p(g)g(a)\bigr)

であるから、zpa=zpaz_{pa}=z_p^aである。PPの任意の点はただ一つのa∈Aa\in Aによってpapaと表されるので、[zp][z_p]は点の選択によらない。主等質空間の同型u ⁣:P→Qu\colon P\to Qに対しては

gu(p)=u(gp)=u(p)zp(g)g u(p)=u(gp)=u(p)z_p(g)

であり、QQの点u(p)u(p)も同じコサイクルを定める。したがって[zp][z_p]は同型類にのみ依存する。

z∈Z1(G,A)z\in Z^1(G,A)に対し、集合AAに右乗法と

g⋅zx=z(g)g(x)g\cdot_z x=z(g)g(x)

を入れた集合をPzP_zと置く。コサイクル条件により

g⋅z(h⋅zx)=z(g)g(z(h))(gh)(x)=(gh)⋅zxg\cdot_z(h\cdot_z x)=z(g)g(z(h))(gh)(x)=(gh)\cdot_z x

であり、z(1)=1z(1)=1から1⋅zx=x1\cdot_z x=xである。また

g⋅z(xa)=z(g)g(x)g(a)=(g⋅zx)g(a)g\cdot_z(xa)=z(g)g(x)g(a)=(g\cdot_z x)g(a)

である。任意のx,y∈Ax,y\in Aに対してxa=yxa=yの唯一の解はa=x−1ya=x^{-1}yなので、PzP_zは主等質空間である。

z′=zaz'=z^aのとき、左乗法x↦axx\mapsto axはPz′P_{z'}からPzP_zへの全単射であり、右乗法を保つ。さらに

a(g⋅z′x)=az′(g)g(x)=z(g)g(ax)=g⋅z(ax)a\bigl(g\cdot_{z'}x\bigr)=a z'(g)g(x)=z(g)g(ax)=g\cdot_z(ax)

であるから、この写像は主等質空間の同型である。よってPzP_zの同型類は[z][z]にのみ依存する。

PzP_zの点11から得られるコサイクルはzzである。一方、PPとp∈Pp\in Pから得たzpz_pに対して、写像Pzp→PP_{z_p}\to P、x↦pxx\mapsto pxは全単射であり、右AA作用を保つ。等式g(px)=pzp(g)g(x)g(px)=pz_p(g)g(x)により、この写像は左GG作用も保つ。したがって二つの対応は互いに逆である。

定数コサイクル11に対するP1P_1は自明な主等質空間であり、その点11はGG不変である。PPの類が基点に対応するなら、同型P≅P1P\cong P_1による11の逆像がGG不変点である。逆にp∈Pp\in PがGG不変なら、gp=pgp=pからzp(g)=1z_p(g)=1がすべてのg∈Gg\in Gについて成り立ち、PPの類は基点に対応する。▨

3 係数群の短完全列

定義 3.1.GGを群、AAをGG-群とする。すべてのg∈Gg\in Gに対してg(a)=ag(a)=aとなる元a∈Aa\in Aの集合をAGA^Gと書く。単位元はAGA^Gに属し、a,b∈AGa,b\in A^Gならg(ab−1)=ab−1g(ab^{-1})=ab^{-1}であるから、AGA^Gは部分群である。AGA^Gは単位元を基点とする基点付き集合でもある。

基点付き写像の列X→uY→vZX\xrightarrow{u}Y\xrightarrow{v}ZがYYにおいて完全 (exact) であるとは、u(X)u(X)がvvによるZZの基点の逆像に等しいことをいう。基点付き写像の列が完全であるとは、前後の写像をもつ各項において完全であることをいう。

命題 3.2.GGを群とし、GG-群の短完全列

1⟶A→iB→πC⟶11\longrightarrow A\xrightarrow{i}B\xrightarrow{\pi}C\longrightarrow1

を考える。ここでi,πi,\piはGG-同変な群準同型であり、AAをiiによってker⁡π\ker\piと同一視する。任意のc∈CGc\in C^Gに対してPc=π−1(c)P_c=\pi^{-1}(c)は、BBの右乗法とGG作用により右AA主等質空間となる。その同型類に対応する元をδ(c)\delta(c)と置くと、基点付き写像

δ ⁣:CG⟶H1(G,A)\delta\colon C^G\longrightarrow H^1(G,A)

が定まる。任意のb∈Bb\in Bでπ(b)=c\pi(b)=cを満たすものに対して

δ(c)=[g↦b−1g(b)]\delta(c)=[g\mapsto b^{-1}g(b)]

である。

証明.c∈CGc\in C^Gを取る。π\piは全射なのでPcP_cは空でない。p∈Pcp\in P_cとa∈Aa\in Aに対してπ(pa)=c\pi(pa)=cであるから、右AA作用はPcP_cを保つ。p,q∈Pcp,q\in P_cに対してp−1q∈ker⁡π=Ap^{-1}q\in\ker\pi=Aであり、pa=qpa=qの唯一の解はa=p−1qa=p^{-1}qである。p∈Pcp\in P_c、g∈Gg\in Gに対してπ(g(p))=g(c)=c\pi(g(p))=g(c)=cであるから、PcP_cはGG作用で保たれる。両作用の両立は、GGがBBに群自己同型で作用することから従う。したがって定理 2.2により、PcP_cの同型類からδ(c)\delta(c)が定まる。

b∈Pcb\in P_cを選ぶと、g(b)=bzb(g)g(b)=b z_b(g)からzb(g)=b−1g(b)z_b(g)=b^{-1}g(b)である。分類定理により、この表示は選んだbbによらず同じ類を与える。P1=AP_1=Aは自明な主等質空間であるから、δ(1)=[1]\delta(1)=[1]である。▨

定理 3.3.GGを群とし、GG-同変な群準同型からなるGG-群の短完全列

1⟶A→iB→πC⟶11\longrightarrow A\xrightarrow{i}B\xrightarrow{\pi}C\longrightarrow1

が与えられているとする。δ\deltaを命題 3.2の写像とすると、基点付き集合の列

1⟶AG→iBG→πCG→δH1(G,A)→i∗H1(G,B)→π∗H1(G,C)1\longrightarrow A^G\xrightarrow{i}B^G\xrightarrow{\pi}C^G \xrightarrow{\delta}H^1(G,A)\xrightarrow{i_*}H^1(G,B) \xrightarrow{\pi_*}H^1(G,C)

は完全である。ここで先頭の11は一元集合である。

証明.AAをiiによってker⁡π\ker\piと同一視する。i,πi,\piの同変性により、不変部分群の間の写像が定まる。i∗,π∗i_*,\pi_*は命題 1.4の基点付き写像である。包含AG→BGA^G\to B^Gは単射なので、AGA^Gにおける完全性が成り立つ。また

{b∈BG∣π(b)=1}=BG∩A=AG\{b\in B^G\mid\pi(b)=1\}=B^G\cap A=A^G

であるから、BGB^Gにおいて完全である。

c∈CGc\in C^Gに対して、定理 2.2によりδ(c)=[1]\delta(c)=[1]であることとPc=π−1(c)P_c=\pi^{-1}(c)がGG不変点をもつこととは同値である。この不変点はccのBGB^Gに属する持上げにほかならない。したがってδ−1([1])=π(BG)\delta^{-1}([1])=\pi(B^G)である。

[z]∈H1(G,A)[z]\in H^1(G,A)がi∗[z]=[1]i_*[z]=[1]を満たすとする。BBにおける基点の軌道の記述から、あるb∈Bb\in Bが存在して、すべてのg∈Gg\in Gに対してz(g)=b−1g(b)z(g)=b^{-1}g(b)となる。π(z(g))=1\pi(z(g))=1によりπ(b)−1g(π(b))=1\pi(b)^{-1}g(\pi(b))=1であるから、c=π(b)c=\pi(b)はCGC^Gに属する。命題 3.2の表示により[z]=δ(c)[z]=\delta(c)である。逆にδ(c)\delta(c)の表示g↦b−1g(b)g\mapsto b^{-1}g(b)はBBでは定数コサイクルの捻り共役1b1^bなので、i∗δ(c)=[1]i_*\delta(c)=[1]である。よってH1(G,A)H^1(G,A)において完全である。

[z]∈H1(G,B)[z]\in H^1(G,B)がπ∗[z]=[1]\pi_*[z]=[1]を満たすとする。あるc∈Cc\in Cが存在して、すべてのg∈Gg\in Gに対してπ(z(g))=c−1g(c)\pi(z(g))=c^{-1}g(c)となる。π(b)=c\pi(b)=cを満たすb∈Bb\in Bを取り、z′=zb−1z'=z^{b^{-1}}と置く。このとき

z′(g)=bz(g)g(b)−1,π(z′(g))=c(c−1g(c))g(c)−1=1z'(g)=b z(g)g(b)^{-1},\qquad \pi(z'(g))=c\bigl(c^{-1}g(c)\bigr)g(c)^{-1}=1

である。したがってz′z'はAAに値を取る一次コサイクルであり、i∗[z′]=[z]i_*[z']=[z]である。逆にAAに値を取るコサイクルのCCにおける像は定数コサイクルなので、π∗i∗[z′]=[1]\pi_*i_*[z']=[1]である。よってH1(G,B)H^1(G,B)において完全である。▨

4 アーベル係数との一致

命題 4.1.GGを群、AAをアーベル群であるGG-群とし、AAを加法で書く。コサイクルの点ごとの和はH1(G,A)H^1(G,A)にアーベル群の構造を定める。この群は、与えられた作用によってAAを左Z[G]\Z[G]-加群としたときの第一次群コホモロジーと自然に同型である。この同型は基点を零元に対応させる。

証明. 積を和で書くと、コサイクル条件はz(gh)=z(g)+g(z(h))z(gh)=z(g)+g(z(h))となり、コサイクルは交差準同型である。また

za(g)=−a+z(g)+g(a)=z(g)+(g(a)−a)z^a(g)=-a+z(g)+g(a)=z(g)+(g(a)-a)

である。したがって捻り共役は、交差準同型の群Der⁡(G,A)\operatorname{Der}(G,A)における主交差準同型の部分群PDer⁡(G,A)\operatorname{PDer}(G,A)による剰余関係に等しい。§E7.36 命題 1.3により、商群Der⁡(G,A)/PDer⁡(G,A)\operatorname{Der}(G,A)/\operatorname{PDer}(G,A)は第一次群コホモロジーと自然に同型である。コサイクルと交差準同型との同定は係数の射との合成を保つので、得られた同型も係数について自然である。定数コサイクルは加法では零写像なので、基点は零元に対応する。▨

参考文献

  1. Jean-Pierre Serre, Galois Cohomology, Springer, Berlin, 1997.非可換一次コホモロジー、主等質空間、および低次の完全列を参考にした。

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