1 この記事で証明すること
通常の角は、二本の半直線がつくる0°以上180°以下の小さい方の角として扱います。
- 中点連結定理:三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの1辺と平行で長さがちょうど半分になること(定理 2.1)。
- 角の二等分線の定理:三角形で1つの角の二等分線が対辺を分ける比は、その角をはさむ2辺の比に等しいこと(定理 3.1)。
定理 1.1. 非退化三角形△ABCについて、M,Nをそれぞれ辺AB,ACの内部の中点とする。また、Dを∠Aの内角の二等分線と辺BCの内部の交点とする。このとき
DCBD=ACAB.
2 中点連結定理
三角形の2辺の中点を結ぶと、残りの1辺と平行で、長さがちょうど半分の線分ができます。
下の図では頂点Aの位置を変えることができます。M,Nを2辺の中点に保つ限り、MNはBCと平行なまま、長さはBCの半分のままです。
図は、M,Nが辺の内部にある非退化な配置だけを表示しています。有限個の表示は、平行・中点・長さの関係の証明ではありません。
定理 2.1 (中点連結定理). 非退化な△ABCの辺AB,ACの中点をそれぞれM,Nとすると
MN∥BC,MN=21BC.
証明.Mを通るBCに平行な直線と辺ACの内部との交点をPとする。∠MAP=∠BAC、∠AMP=∠ABCなので、§A5.1 定理 3.1 (1)により△AMP∼△ABCである。対応する辺の比とMが中点であることから
ACAP=BCMP=ABAM=21を得る。したがってAP=AC/2=ANである。P,Nはともに辺AC上にあるから、P=Nである。ゆえにMN∥BCであり、MN=BC/2である。▨
3 角の二等分線と比
内角の二等分線と対辺との交点でも、補助平行線から相似な三角形を作ることで辺の比を求めます。
定理 3.1 (角の二等分線の定理). 非退化な△ABCの辺BCの内部点をDとし、半直線ADは通常の内角∠BACの二等分線とする。このとき
DCBD=ACAB.
証明.Cを通りADに平行な直線と、直線ABとの交点をEとする。Dは辺BCの内部にあるので、Eは辺ABのA側の延長上にあり、点の順序はB,A,Eである。したがってD,Aは三角形BCEの辺BC,BEの内部点である。∠DBA=∠CBE、∠BDA=∠BCEなので、§A5.1 定理 3.1 (1)により△BDA∼△BCEである。対応する辺の比からBCBD=BEBA.BC=BD+DC、BE=BA+AEを代入して交差積をとると
BD⋅AE=BA⋅DCとなる。
また、AD∥ECと内角の二等分より
∠ACE=∠CAD=∠DAB=∠AEC.したがって△ACEは二等辺三角形であり、AE=ACである。交差積の等式に代入し、正の長さDC⋅ACで割るとBD/DC=AB/ACを得る。▨