1 中線定理
証明.Aから直線BCへ下ろした垂線の足をHとし、r=BM=CM=a/2、x=MH、h=AHと置く。
Hが線分BC上にあれば、BH,CHは順序を除いてr+x,r−xである。Hが線分BCの外部にあれば、BH,CHは順序を除いてx+r,x−rである。どちらの場合も
BH2+CH2=(r+x)2+(r−x)2=2r2+2x2が成り立つ。
§A5.4 定理 1.1により、
c2=h2+BH2,b2=h2+CH2,m2=h2+x2である。H=Bのときは最初の式がc2=h2、H=Cのときは二番目の式がb2=h2、H=Mのときは三番目の式がm2=h2となり、それぞれ長さの等しさから成り立つ。したがって
b2+c2=2h2+2r2+2x2=2m2+2a2.整理すると、主張の等式を得る。▨
2 中線による直角の判定
解答.
a=BC、b=CA、c=AB、m=AMと置く。定理 1.1により、
m2=2b2+c2−4a2である。
∠BACが直角ならば、§A5.4 定理 1.1によりb2+c2=a2であるから、m2=a2/4となる。m,aは正なので、m=a/2である。
逆にm=a/2ならば、中線定理に代入して
4a2=2b2+c2−4a2を得る。したがってb2+c2=a2であり、§A5.4 定理 1.1の逆の向きから∠BACは直角である。▨
3 ベクトルによる別証明
証明.Mを原点とし、MA=v、MB=uと置く。MはBCの中点なのでMC=−uであり、
m2=∣v∣2,c2=∣v−u∣2,b2=∣v+u∣2,a2=∣2u∣2.よって
b2+c2=∣v+u∣2+∣v−u∣2=2∣v∣2+2∣u∣2=2m2+2a2.整理してm2=(b2+c2)/2−a2/4を得る。▨