1 ヴィヴィアーニの定理
定理 1.1 (ヴィヴィアーニの定理). 一辺の長さがs>0、高さがhの正三角形△ABCを考える。内部または境界上の点Pから、直線BC,CA,ABまでの距離をそれぞれx,y,zとすると、
x+y+z=h=23sが成り立つ。
図では内部の点を動かしていますが、観察は証明ではなく、内部と境界のすべての点についての等式は次の面積計算で示します。
証明.[XYZ]で三角形△XYZの面積を表し、三点が一直線上にある場合には[XYZ]=0とする。Pが△ABCの内部または境界上にあるので、三つの小三角形の内部は互いに重ならず、
[PBC]+[PCA]+[PAB]=[ABC]である。各小三角形の底辺の長さはs、高さはそれぞれx,y,zなので、
[PBC]=21sx,[PCA]=21sy,[PAB]=21sz.境界上では一つまたは二つの小三角形の面積が0となるが、同じ等式が成り立つ。全体の面積はsh/2だから、
21s(x+y+z)=21sh.s>0より、x+y+z=hである。
AからBCへ下ろした垂線の足をDとする。直角三角形△ADBと△ADCは斜辺と一辺がそれぞれ等しいので合同であり、BD=CD=s/2である。§A5.4 定理 1.1により、
h2+(2s)2=s2.h>0なので、h=3s/2を得る。▨
例 1.2. 高さがhの正三角形△ABCにおいて、Aを直線BCに関して反射した点をPとする。Pは三角形の外部にあり、直線BCまでの距離はhである。Pは直線CA,ABのいずれの上にもないので、直線CA,ABまでの距離はともに正である。したがって、三辺を含む三直線までの距離の和はhより大きい。