§E9.28局所的な関数の貼り合わせと L^p 双対

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関数との積を積分することによって、LpL^p空間上の連続線形汎関数を定めることができる。積分による汎関数の表現は、LpL^p空間の双対を調べるための基本的な方法である。しかし、有限測度部分で得られる表現が、いつ全体の一つの関数による表現になるかは、測度空間の構造に関わる。たとえば、非可算集合の冪集合上に定めた数え上げ測度では、可積分な関数の非零の値は高々可算個の点に限られるが、L1L^1の双対を表す有界関数にはその制約がない。

有限部分上の関数を全体へ貼り合わせる役割を担うのが、測度の局所化可能性である。この性質は、L1L^1の双対を有界関数による積分で一意に表すことができるかという問いと結びつく。一方、1<p<∞1<p<\inftyの双対表現は任意の測度上で成立する。局所的な密度を全体へ結びつけるという同じ問いは、一般の正測度に対するRadon–Nikodym表現にも現れる。

本記事では、局所的な関数の貼り合わせと、LpL^p双対および測度の密度表現との関係について解説する。

1 積分による汎関数

定義 1.1.(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)を正測度空間、K∈{R,C}\mathbb K\in\{\R,\C\}とし、p,q∈[1,∞]p,q\in[1,\infty]が1/p+1/q=11/p+1/q=1を満たすとする。1/∞=01/\infty=0と定める。積分双対写像 (integral duality map)

Tq:Lq(μ;K)⟶Lp(μ;K)∗,Tq(g)(f)=∫Xfg‾ dμT_q:L^q(\mu;\mathbb K)\longrightarrow L^p(\mu;\mathbb K)^*,\qquad T_q(g)(f)=\int_Xf\overline g\,d\mu

を定める。実数体ではg‾=g\overline g=gとする。双対空間は連続なK\mathbb K-線形汎関数の空間である。TqT_qは実数体では線形、複素数体では共役線形であり、§E9.21 定理 4.2により∥Tq(g)∥≤∥g∥q\|T_q(g)\|\leq\|g\|_qである。

補題 1.2. 任意の正測度空間(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)と1≤p<∞1\leq p<\inftyに対し、f∈Lp(μ)f\in L^p(\mu)の有限値可測代表元の非零集合はシグマ有限な可測部分集合である。

証明.Gn={∣f∣>1/n}G_n=\{|f|>1/n\}とおく。μ(Gn)≤np∫∣f∣p dμ<∞\mu(G_n)\leq n^p\int|f|^p\,d\mu<\inftyであり、{f≠0}=⋃nGn\{f\ne0\}=\bigcup_nG_nである。▨

命題 1.3. 正測度空間(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)上の写像T∞:L∞(μ)→L1(μ)∗T_\infty:L^\infty(\mu)\to L^1(\mu)^*が単射であるための必要十分条件は、μ\muが半有限であることである。半有限な場合、T∞T_\inftyは等長である。

証明.μ\muが半有限であるとする。g∈L∞g\in L^\inftyと0<t<∥g∥∞0<t<\|g\|_\inftyを取る。{∣g∣>t}\{|g|>t\}は正測度であるから、半有限性により有限な正測度の可測部分集合EEを含む。f=μ(E)−11Eg/∣g∣f=\mu(E)^{-1}\mathbf1_Eg/|g|は∥f∥1=1\|f\|_1=1を満たし、T∞(g)(f)=μ(E)−1∫E∣g∣ dμ>tT_\infty(g)(f)=\mu(E)^{-1}\int_E|g|\,d\mu>tである。t↑∥g∥∞t\uparrow\|g\|_\inftyとすると∥T∞(g)∥≥∥g∥∞\|T_\infty(g)\|\geq\|g\|_\inftyであり、逆向きはHölder不等式による。∥g∥∞=0\|g\|_\infty=0の場合の等号も成り立つ。

μ\muが半有限でないとする。可測集合AAでμ(A)=∞\mu(A)=\inftyかつ

c=sup⁡{μ(B):B∈Σ, B⊆A, μ(B)<∞}<∞c=\sup\{\mu(B):B\in\Sigma,\ B\subseteq A,\ \mu(B)<\infty\}<\infty

となるものを取る。有限部分集合列の和B⊆AB\subseteq Aをμ(B)=c\mu(B)=cとなるように取ることができる。c=0c=0の場合にはB=∅B=\emptysetとする。D=A∖BD=A\setminus Bは無限測度である。有限測度可測集合E⊆DE\subseteq Dについて、B∪EB\cup Eの測度は有限でありcc以下であるから、μ(E)=0\mu(E)=0である。補題 1.2により、任意のf∈L1f\in L^1はDD上でほとんど至る所零である。したがってT∞(1D)=0T_\infty(\mathbf1_D)=0であるが、1D\mathbf1_DのL∞L^\infty類は零でない。単射性は成り立たない。▨

2 有限部分における密度

補題 2.1.(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)を正測度空間、1≤p<∞1\leq p<\inftyとし、Φ∈Lp(μ;K)∗\Phi\in L^p(\mu;\mathbb K)^*とμ(E)<∞\mu(E)<\inftyを満たすE∈ΣE\in\Sigmaを取る。EE上の可測集合に対して

νE(A)=Φ(1A)(A⊆E)\nu_E(A)=\Phi(\mathbf1_A)\qquad(A\subseteq E)

と定めると、νE\nu_Eは有限符号付き測度または複素測度であり、νE≪μ∣E\nu_E\ll\mu|_Eである。その全変動は

∣νE∣(A)≤∥Φ∥μ(A)1/p(A⊆E)|\nu_E|(A)\leq\|\Phi\|\mu(A)^{1/p}\qquad(A\subseteq E)

を満たす。

証明. 互いに素な可測集合列(An)(A_n)の和をA⊆EA\subseteq Eとする。1A−∑n≤N1An\mathbf1_A-\sum_{n\leq N}\mathbf1_{A_n}のLpL^pノルムのpp乗はμ(⋃n>NAn)\mu(\bigcup_{n>N}A_n)であり、μ(E)<∞\mu(E)<\inftyにより零へ収束する。Φ\Phiの連続性によりνE\nu_Eは可算加法的である。零集合の指示関数は零類であるため絶対連続性も従う。

有限可測分割A=⨆j=1mAjA=\bigsqcup_{j=1}^m A_jに対し、∣cj∣≤1|c_j|\leq1とcjνE(Aj)=∣νE(Aj)∣c_j\nu_E(A_j)=|\nu_E(A_j)|を満たすスカラーを取る。すると

∑j∣νE(Aj)∣=Φ(∑jcj1Aj)≤∥Φ∥μ(A)1/p.\sum_j|\nu_E(A_j)|=\Phi\left(\sum_jc_j\mathbf1_{A_j}\right)\leq\|\Phi\|\mu(A)^{1/p}.

左辺は非負実数である。分割の上限を取れば全変動評価を得る。▨

補題 2.2. 正測度空間(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)とΦ∈L1(μ;K)∗\Phi\in L^1(\mu;\mathbb K)^*に対し、各有限測度可測集合EE上にgE∈L∞(μ∣E;K)g_E\in L^\infty(\mu|_E;\mathbb K)が存在し、∥gE∥∞≤∥Φ∥\|g_E\|_\infty\leq\|\Phi\|および

Φ(f)=∫EfgE‾ dμ\Phi(f)=\int_E f\overline{g_E}\,d\mu

がEEに台をもつすべてのf∈L1f\in L^1に対して成り立つ。すべての有限測度可測集合E,FE,Fについて、gE=gFg_E=g_FがE∩FE\cap F上でほとんど至る所成り立つ。

証明.補題 2.1と§E9.26 定理 4.1により、νE=hEμ∣E\nu_E=h_E\mu|_Eと表す。実数体ではhEh_Eは実数値である。全変動評価と§E9.26 補題 2.2により、任意の可測集合A⊆EA\subseteq Eについて∫A∣hE∣ dμ≤∥Φ∥μ(A)\int_A|h_E|\,d\mu\leq\|\Phi\|\mu(A)である。A={∣hE∣>∥Φ∥+1/n}A=\{|h_E|>\|\Phi\|+1/n\}とすれば各AAは零集合であり、∣hE∣≤∥Φ∥|h_E|\leq\|\Phi\|がほとんど至る所で成り立つ。gE=hE‾g_E=\overline{h_E}とする。指示関数に対する表示から線形性により単関数の表示が従い、§E9.22 定理 2.2とHölder不等式によりすべてのL1L^1関数へ延長される。E∩FE\cap F上の可測集合の指示関数に対する値は同じであるから、§E9.26 定理 4.1の一意性により密度は整合する。▨

3 L1L^1双対と局所化可能性

定理 3.1. 正測度空間(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)上でT∞:L∞(μ;K)→L1(μ;K)∗T_\infty:L^\infty(\mu;\mathbb K)\to L^1(\mu;\mathbb K)^*が全単射であるための必要十分条件は、μ\muが局所化可能であることである。この場合、T∞T_\inftyは等長である。

証明.μ\muが局所化可能であるとする。Φ∈L1(μ)∗\Phi\in L^1(\mu)^*に対し、補題 2.2の局所密度gEg_Eを、すべての有限測度可測集合EEにわたって取る。§E9.27 定理 3.2と§E9.27 系 3.3により、それらを可測関数ggへ貼り合わせる。{∣g∣>∥Φ∥}\{|g|>\|\Phi\|\}は任意の有限部分との交わりが零集合であるから、§E9.27 補題 2.3により零集合である。したがってg∈L∞g\in L^\inftyである。L1L^1に属する単関数の非零台は有限測度であるため、局所表示からΦ(s)=T∞(g)(s)\Phi(s)=T_\infty(g)(s)が従う。単関数の稠密性によりΦ=T∞(g)\Phi=T_\infty(g)である。単射性と等長性は命題 1.3による。

T∞T_\inftyが全単射であるとする。命題 1.3によりμ\muは半有限である。任意の可測集合族(Ai)i∈I(A_i)_{i\in I}を取り、非負なf∈L1f\in L^1に対して

P(f)=sup⁡J⊆I, J 有限∫∪i∈JAif dμP(f)=\sup_{J\subseteq I,\ J\text{ 有限}}\int_{\cup_{i\in J}A_i}f\,d\mu

と定める。有限集合JJは包含に関して有向であり、f,v≥0f,v\geq0に対して、両方の積分を同時に近似する有限集合は二つの有限集合の和として取ることができる。したがってP(f+v)=P(f)+P(v)P(f+v)=P(f)+P(v)である。非負スカラーについて斉次性も成り立ち、0≤P(f)≤∥f∥10\leq P(f)\leq\|f\|_1である。

実数値関数に対してP(f+)−P(f−)P(f^+)-P(f^-)と定める。非負錐上の加法性により、f=u−vf=u-vという別の非負分解を使っても、u+f−=v+f+u+f^-=v+f^+への加法性から値は変わらない。この延長は実線形である。複素数体では実部と虚部へ適用して複素線形汎関数Φ\Phiを得る。任意のffについて∣Φ(f)∣=Φ(Re⁡(cf))≤P(∣f∣)≤∥f∥1|\Phi(f)|=\Phi(\operatorname{Re}(cf))\leq P(|f|)\leq\|f\|_1を満たす単位スカラーccを取ることができるため、Φ\Phiは連続である。

全射性によってΦ(f)=∫fh dμ\Phi(f)=\int f h\,d\muとなるh∈L∞h\in L^\inftyを取る。有限測度集合の指示関数について0≤Φ(1E)≤μ(E)0\leq\Phi(\mathbf1_E)\leq\mu(E)である。虚部の正負、および実部が00より小さい集合と11より大きい集合の有限部分でこの不等式を用い、半有限性を適用すると、hhは実数値で0≤h≤10\leq h\leq1がほとんど至る所成り立つ。零集合上を修正して、この不等式を点ごとに満たすようにする。

有限測度可測集合E⊆AiE\subseteq A_iでは、JJにiiを含めることによりΦ(1E)=μ(E)\Phi(\mathbf1_E)=\mu(E)である。よってh=1h=1が各AiA_i上でほとんど至る所成り立つ。一方、すべてのAiA_iを本質的に含む可測集合BBがあれば、E⊆X∖BE\subseteq X\setminus B、μ(E)<∞\mu(E)<\inftyに対して各有限和との交わりは零集合なのでΦ(1E)=0\Phi(\mathbf1_E)=0である。半有限性によりh=0h=0がX∖BX\setminus B上でほとんど至る所成り立つ。したがってH={h=1}H=\{h=1\}は(Ai)(A_i)の本質的上限である。任意の族に本質的上限が存在するため、測度代数はDedekind完備であり、μ\muは局所化可能である。▨

4 1<p<∞1<p<\inftyの双対

補題 4.1.(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)をシグマ有限な正測度空間とし、1<p<∞1<p<\infty、q=p/(p−1)q=p/(p-1)とする。任意のΦ∈Lp(μ;K)∗\Phi\in L^p(\mu;\mathbb K)^*に対し、一意なg∈Lq(μ;K)g\in L^q(\mu;\mathbb K)が存在してΦ=Tq(g)\Phi=T_q(g)となり、∥g∥q=∥Φ∥\|g\|_q=\|\Phi\|である。

証明.En↑XE_n\uparrow X、μ(En)<∞\mu(E_n)<\inftyとなる可測集合列を取る。補題 2.1と§E9.26 定理 4.1によりΦ(1A)=∫Agn‾ dμ\Phi(\mathbf1_A)=\int_A\overline{g_n}\,d\muがすべてのA⊆EnA\subseteq E_nで成り立つ可積分密度gng_nを取る。密度の一意性によりgn+1=gng_{n+1}=g_nがEnE_n上でほとんど至る所成り立つ。例外零集合の可算和を除き、En∖En−1E_n\setminus E_{n-1}上でg=gng=g_nと定めれば、有限値可測関数ggを得る。

各n,k∈N≥1n,k\in\NNについてD=En∩{∣g∣≤k}D=E_n\cap\{|g|\leq k\}とし、f=1Dg∣g∣q−2f=\mathbf1_D g|g|^{q-2}を取る。g=0g=0ではf=0f=0と定める。EnE_n上でffは有界であるため、単関数で一様に近似して指示関数の表示をffへ延長することができる。K=∫D∣g∣q dμK=\int_D|g|^q\,d\muとおくと

K=Φ(f)≤∥Φ∥K1/p.K=\Phi(f)\leq\|\Phi\|K^{1/p}.

K>0K>0ならばK1/q≤∥Φ∥K^{1/q}\leq\|\Phi\|であり、K=0K=0でも同じ不等式が成り立つ。n,k→∞n,k\to\inftyとして単調収束定理を用いれば、g∈Lqg\in L^qと∥g∥q≤∥Φ∥\|g\|_q\leq\|\Phi\|を得る。

有限測度可測集合AAについて、1A∩En→1A\mathbf1_{A\cap E_n}\to\mathbf1_AがLpL^pで成り立つので、Hölder不等式によりΦ(1A)=Tq(g)(1A)\Phi(\mathbf1_A)=T_q(g)(\mathbf1_A)である。LpL^p単関数の稠密性からΦ=Tq(g)\Phi=T_q(g)が従う。g≠0g\ne0ならばf=g∣g∣q−2/∥g∥qq−1f=g|g|^{q-2}/\|g\|_q^{q-1}はLpL^pノルム11をもち、Tq(g)(f)=∥g∥qT_q(g)(f)=\|g\|_qである。g=0g=0の場合も含め、Hölder不等式と合わせてノルムは一致する。二つの密度の差へ同じ関数を適用すれば一意性も従う。▨

定理 4.2.(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)を任意の正測度空間、1<p<∞1<p<\infty、q=p/(p−1)q=p/(p-1)とする。このときTq:Lq(μ;K)→Lp(μ;K)∗T_q:L^q(\mu;\mathbb K)\to L^p(\mu;\mathbb K)^*は等長な全単射である。

証明.Φ∈Lp(μ)∗\Phi\in L^p(\mu)^*とし、C=∥Φ∥C=\|\Phi\|とおく。∥fn∥p≤1\|f_n\|_p\leq1と∣Φ(fn)∣→C|\Phi(f_n)|\to Cを満たす列を取る。補題 1.2により、代表元の非零集合の和F=⋃n{fn≠0}F=\bigcup_n\{f_n\ne0\}はシグマ有限である。FF上の関数を零延長して得る制限汎関数ΦF\Phi_FのノルムはCCである。補題 4.1により密度gF∈Lq(μ∣F)g_F\in L^q(\mu|_F)を取り、X∖FX\setminus F上で零とした関数をggとする。

任意のf∈Lpf\in L^pの非零集合をGGとし、H=F∪GH=F\cup Gとする。HHはシグマ有限であり、ΦH\Phi_HのノルムもCCである。対応する密度gHg_Hは、FFへの制限について一意性からgH∣F=gFg_H|_F=g_Fを満たす。したがって

∫H∣gH∣q dμ=Cq=∫F∣gF∣q dμ\int_H|g_H|^q\,d\mu=C^q=\int_F|g_F|^q\,d\mu

であり、gH=0g_H=0がH∖FH\setminus F上でほとんど至る所成り立つ。ffはHHに台をもつため、Φ(f)=∫HfgH‾ dμ=∫Xfg‾ dμ\Phi(f)=\int_H f\overline{g_H}\,d\mu=\int_X f\overline g\,d\muである。C=0C=0の場合も同じ構成は零密度を与える。ノルムの一致と単射性は、任意のLqL^q密度に対する関数g∣g∣q−2g|g|^{q-2}の計算による。▨

5 局所条件によるRadon–Nikodym表現

定理 5.1.(X,Σ,μ)(X,\Sigma,\mu)を局所化可能な正測度空間、ν\nuを(X,Σ)(X,\Sigma)上の正測度とする。ν≪μ\nu\ll\muを仮定し、各E∈ΣE\in\Sigma、μ(E)<∞\mu(E)<\inftyについてν∣E\nu|_Eがシグマ有限であると仮定する。さらに、すべてのA∈ΣA\in\Sigmaに対して

ν(A)=sup⁡E∈Σ, μ(E)<∞ν(A∩E)\nu(A)=\sup_{E\in\Sigma,\ \mu(E)<\infty}\nu(A\cap E)

を仮定する。このとき、非負有限値可測関数ggが存在してν(A)=∫Ag dμ\nu(A)=\int_Ag\,d\muがすべてのA∈ΣA\in\Sigmaで成り立つ。ggはμ\muに関するほとんど至る所の一致を除いて一意である。

証明. 各有限測度可測集合EE上で§E9.14 定理 2.3によりν∣E=gEμ∣E\nu|_E=g_E\mu|_Eと表す。§E9.14 定理 3.1により、gEg_Eは有限値に修正することができ、任意のE,FE,F上の密度はE∩FE\cap Fでほとんど至る所一致する。§E9.27 定理 3.2により、すべてのgEg_Eを非負有限値可測関数ggに貼り合わせる。§E9.27 補題 2.3を1Ag\mathbf1_Agに適用すると

∫Ag dμ=sup⁡μ(E)<∞∫A∩Eg dμ=sup⁡μ(E)<∞ν(A∩E)=ν(A)\int_Ag\,d\mu=\sup_{\mu(E)<\infty}\int_{A\cap E}g\,d\mu=\sup_{\mu(E)<\infty}\nu(A\cap E)=\nu(A)

である。二つの密度が同じν\nuを与えるならば、各有限部分でRadon–Nikodym密度の一意性が成り立ち、半有限性により全体でもほとんど至る所一致する。▨

例 5.2.X=[0,1]X=[0,1]のBorel集合族上で、μ\muを数え上げ測度、ν\nuをLebesgue測度とする。μ\muの零集合は空集合だけなのでν≪μ\nu\ll\muである。しかしν=gμ\nu=g\muとなる非負密度があれば、各x∈Xx\in Xについてg(x)=ν({x})=0g(x)=\nu(\{x\})=0であり、ν(X)=0\nu(X)=0となってν(X)=1\nu(X)=1に矛盾する。有限なμ\mu-測度集合は有限集合であり、すべてν\nu-零集合なので、有限部分による値の決定条件が成立していない。

例 5.3. 非可算集合XXの冪集合上で、μ\muを数え上げ測度とし、ν(A)=0\nu(A)=0を可算なAAに、ν(A)=∞\nu(A)=\inftyを非可算なAAに与える。μ\muは局所化可能であり、ν≪μ\nu\ll\muである。各有限なEEではν∣E\nu|_Eは零測度なのでシグマ有限であるが、ν(X)=∞\nu(X)=\inftyはsup⁡μ(E)<∞ν(E)=0\sup_{\mu(E)<\infty}\nu(E)=0と異なる。各一点集合上の等式が密度を零に強制するため、密度表現は存在しない。局所的なシグマ有限性だけでは全体の値を決定しない。

6 演習

問題 6.1. 非可算集合II上の数え上げ測度に対し、1<p<∞1<p<\inftyとする。LpL^pの各元が高々可算な台をもつことを使い、任意の連続線形汎関数がLqL^qの一意な元によって表されることを説明せよ。L1L^1の場合と条件を比較せよ。

解答.

f∈Lpf\in L^pの各集合{∣f∣>1/n}\{|f|>1/n\}は有限であるため、非零台は可算である。ノルムを近似する可算列の台の和も可算であり、その部分上で補題 4.1を適用した密度を零延長する。別の可算台を加えても密度のノルムは増えないため、追加部分の密度は零となる。定理 4.2の証明と同じ帰着が成り立つ。L1L^1では双対密度は有界関数であり、台が可算である必要はない。数え上げ測度は局所化可能なので、定理 3.1によりL∞L^\infty全体がL1L^1双対を与える。▨

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